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幼い頃から食べることが好きだった。母手作りの素朴な家庭料理を、家族で囲んだ温かな食卓―。大人になった今は一人で作って一人で食べて「私は天才かっ」と一人で叫ぶ。
季節外れのローストチキン。深夜に食したホヤ。
カビの生えたパンだってちょいちょいっと削れば、あらおいしい。
少し孤独。けれど食欲全開、今日も幸せ。雑誌「クロワッサン」の連載をまとめた極上の食エッセイ。
目次
一丁の至福
未練ケーキ
魅惑のかけご飯
そのまんま茗荷
ギュイーン料理
評価味
一人評
情熱果物
叱られバター
ぞっこん安ワイン〔ほか〕
阿川佐和子
1953(昭和28)年東京生れ。慶應義塾大学卒。
報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。
『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。