Detail
不幸だとか幸福だとかいう言葉くらい、本人の気の持ち方次第のものはない。自分が不幸が好きなときは不幸だし、幸福が好きなときは幸福だ。
不幸になるのも幸福になるのも、本人の望み次第で、私の好き勝手になれるのだという気がしている。(本文より)
生きて、愛して、行動して、天寿を全うした著者の、人生の知恵、そのエッセンス235篇を収録。
宇野千代
1897(明治30)年山口県生まれ。1914年岩国高等女学校卒業。21年処女作「脂粉の顔」で懸賞短篇小説一等入選。作家活動に入る。35年名作「色ざんげ」を発表。36年スタイル社設立。ファッション専門誌「スタイル」刊行。57年代表作「おはん」で野間文芸賞受賞。58年女流文学賞受賞。72年芸術院賞受賞。83年「生きて行く私」を発表、ベストセラーとなる。90年岩国市名誉市民となる。文化功労者として顕彰される。96年没。勲二等受勲。享年98歳。