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「気味がわるい」と嫌われる回虫やバイ菌。
でも、こういった「生き物」は、古来よりヒトと共生してきた。
1950年代の回虫感染率は60パーセント台だったが、いまでは0.2パーセント。
この回虫感染率の低下に反比例して、アトピー性疾患や、アレルギー性疾患患者が増加した。バイ菌を排除する日本人の行きすぎた清潔志向が、健康に影響を与えているのだ。
目次
1 寄生虫はおとなりさん
2 花粉症からダイエットまで
3 ひそかに増えている寄生虫
4 グルメにご用心
5 うちのイヌはかわいいけど
6 ネコかわいがりはいけません
7 無菌ジャパンの怖い罠
8 カリマンタン島の奇跡
9 寄生虫と仲良くしよう
藤田紘一郎
1939年、中国・旧満州に生まれる。東京医科歯科大学医学部を卒業し、東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了。医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授を経て、東京医科歯科大学大学院教授。専門は寄生虫学と熱帯医学。マラリア、フィラリア、成人T細胞白血病やエイズ関連の免疫研究、人畜共通伝染病の研究治療を続けている。その一方で自然の生態系からみた現代の人間社会のゆがみを鋭くとらえ、ユーモアのある名文でつづられた警告の書を出版し幅広く支持されている