Detail
人気建築家・中村好文が吉田牧場の主・吉田全作の依頼に応え、力を合わせて作りあげたのは、線にも管にもつながらない、エネルギー自給自足が持続可能な小屋だった。
本書では、その全貌と詳細を一挙公開。
太陽光発電のシステム、雨水を濾過して飲料水にする仕組み、太陽熱温水器で雨水を温めて風呂に入る方法、ガスを使わずに調理する七厘レンジやキッチンストーヴ、食器を洗った排水を傾斜土槽とバイオ・ジオ・フィルターを通して、微生物によってキレイにしてからビオトープに流す仕組み、匂いもなく快適なコンポストトイレなどなど。
現代のテクノロジーを駆使してエネルギーを作り、循環させる小屋づくりを紹介します。
これなら、住み続けられます。地震や豪雨などによる災害の多い日本に暮らす多くの人のヒントになる本です。
内容説明
電線、水道管、下水管、ガス管に頼らない暮らし、さあ、なにからはじめよう?
目次
1章 小屋暮らしの妄想を現実に
2章 パーマカルチャーデザイナーの四井真治さんを訪ねる
3章 全作、「全部作る」人
4章 小屋づくり、今度こそ!
5章 全作小屋の夢は続く
6章 小屋の台所事情
7章 牛師、小屋でパンを焼く
8章 Rice Cycleに想いを馳せて
Dialogue/好文×全作 完成後3年半を経て小屋づくりの日々を振り返る
中村好文
建築家。1948年千葉県生まれ。72年武蔵野美術大学建築学科卒業。設計事務所勤務を経て、東京都立品川職業訓練校木工科で家具製作を学ぶ。
81年レミングハウス設立。87年「三谷さんの家」で第1回吉岡賞受賞。
93年「諸職の技術を生かした住宅」で第18回吉田五十八賞特別賞受賞。
2014年〜多摩美術大学環境デザイン学科客員教授
吉田全作
牛師、フェルミエ(チーズ農家)。1955年岡山県生まれ。
79年北海道大学農学部畜産学科卒業後、5年間のサラリーマン生活を経て、84年に岡山県・吉備高原にて酪農業を開業。
88年、念願のチーズ作りを始める。
94年、ホルスタイン種からブラウンスイス種に変更。
以来、土地に根ざし牛を放牧し、餌や牧草にこだわり、おいしい乳を搾り、家族のみで手作りチーズを生産し続ける。
その誠実で妥協のない味わいで全国にファンが多い