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私は肝の据わった人間だ。そうでなければやっていけない」―極限の孤絶から、酷寒の迷宮へ。私の行く手に待ち受けるものは。最初の一ページを読み始めたら、決して後戻りはできない。あらゆる予断をゆさぶる圧倒的な小説世界。この危機は、人類の未来図なのか。目を逸らすことのできない現実を照射し、痛々しいまでの共感を呼ぶ、美しく強靱なサバイバルの物語。
マーセル・セロー
1968年ウガンダに生まれ、英国で育つ。ケンブリッジ大学で英文学、イエール大学でソヴィエト、東欧の国際関係を研究。
環境問題や日本の「わびさび」など多様なテーマのドキュメンタリー番組制作に携わり、2002年発表の小説The Paperchaseでサマセット・モーム賞を受賞。『極北』は全米図書賞及びアーサー・C・クラーク賞の最終候補となり、「主要な文学賞が見過ごしている格別に優れた作品」に贈られるフランスのリナペルスュ賞を受賞した。