Detail
多くの名山が、不必要な開発や「はきちがえられた自然保護政策」によって傷だらけになっている。本書において著者は、取材対象の山に自分で登ってみることを絶対条件とし、山麓の住民の暮らしと声をなるべく記録し調べる、民俗学的アプローチを取材に取り入れることに力を注いでいる。
目次
第1章 名山に忍び寄る病(北アルプス・穂高岳・山小屋のトイレ事情―その最前線を歩く;北海道・夕張岳・今、高山植物が危ない!―「罪意識なき山岳犯罪」の実態を追う ほか)
第2章 危機に立つ山岳渓流(黒部・偽りの清流―下ノ廊下・電源要塞地帯を歩く;北アルプス・砂防ダムが山岳渓流を死滅させる!―知られざる環境破壊現場を行く ほか)
第3章 世界遺産登録は、山岳保護の切り札か?(白神山地・山は誰のものか?―入山規制で始まる登山文化の崩壊;沖縄・やんばるの森・世界遺産を目指すゲリラ部隊の訓練場―やんばるの森と住民のこれから ほか)
第4章 知られざる山岳開発の実態(日高山脈・見捨てられた最後の原始境―山脈横断道路建設の犯罪性;朝日‐飯豊連峰・ブナの楽園を破壊する林野庁最大の愚行―大規模林道の実態・山形県小国町・金目川流域開発現場から ほか)