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身の回りにあるありふれたモノ、当たり前のコトが、自分にとってどのくらいの価値があるものなのか、みなさんはご存知でしょうか?
たとえばケータイ。
たとえばお酒。
たとえば怒り。
たとえば名字。
たとえば写真。
価値がわからないモノやコトは、なくしてみるとよくわかります。
この本は、本屋さんでありながらモノからコトまであらゆるアイデアで世の中をあたらしく変えている江口宏志さんが、実際に体験した「ない世界」の記録です。
ケータイをなくしてみたら、電話としてはほとんど使っていなかったことに気づく。
お酒を飲まなくしてみたら、昔からの友人に「あんまり笑わなくなったね」と言われる。
怒る感情をなくしてみたら、自分は怒っていないのに相手を怒らせてしまった。
名字をなくしてみたら、相手との距離は縮まるどころか遠ざかって昔の夫婦みたいだ。
写真を撮らなくしてみたら、コミュニケーションこそが写真の評価そのものだと思い至る。
12か月、12の「自分なくし」の物語。
自分にとって分ちがたいものの価値が、きっと見えてきます。
【目次】
はじめに
3月 ケータイのない世界
4月 お酒のない世界
5月 怒らない世界
6月 毛のない世界
7月 青のない世界
8月 行きつけのない世界
9月 名字のない世界
10月 明日のない世界
11月 飽きない世界
12月 断らない世界
1月 写真のない世界
2月 終わりのない世界
あとがきの代わりのブックガイド
江口宏志
1972年生まれ。表参道のブックショップ『UTRECHT』代表。
日本初の大規模なアートブックフェア『THE TOKYO ART BOOK FAIR』共同ディレクターを務める。
『Amazon』にないアイテムばかりを取り揃えた『nomazon』や、読んだ人の感想が本棚のカテゴリーを構成する古本屋『声』、読書の新しい楽しみ方を提案する『読書のフェス』など、新しい形の本との関わり方を次々に生み出している。
著書に『ハンドブック』(学研)、『注釈・城の崎にて』(NPO本と温泉)など。