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一週間後に自殺しよう。自らに「自由死刑」を執行するのだ。金曜日に男はそう決心した。では、その執行日までどのように過ごすべきか?酒池肉林の享楽か、復讐や救済か、それとも…。しかし、些細な事から男の計画には次次と邪魔が入ることになる。
臓器売買、殺し屋、美女との逃避行―。
果たして男は無事に死ねるのか。死への欲望と歓喜、そして死ぬ自由の過酷さを描く傑作長編。
島田 雅彦
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。
1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』等多数。2010年6月には最新刊『悪貨』も発売になった。