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じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。
出入り自由の寄り合い所帯、親戚もいなければ、墓の在り処もわからない。
一体うちってなんなんだ?この際、祖父母が出会ったという満州へ行ってみようか―。
かくして、ばあさんとひきこもりの叔父さんを連れた珍道中が始まる。伊藤整文学賞受賞作品。
角田光代
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。
90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年路傍の石文学賞を受賞。
03年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『かなたの子』で泉鏡花文学賞、同年『紙の月』で柴田錬三郎賞を受賞。