Detail
フランス随一の登山家作家フリゾン=ロッシュの鮮烈なデビュー作にして山岳小説の古典の新訳決定版。
モンブラン山群の雪と岩と氷、シャモニー谷の緑のなかで展開する若者たちの物語。登攀ガイドの父を事故で失った青年ピエールは、苦悩の末に自らの人生を選び取ろうと氷壁に挑んでゆく。
厳しく美しい風景とその土地の暮らしぶりに惹かれつつ、悲劇と勇気と友情に心ゆさぶられる永遠のロマンを、当時の写真を添えてここに刊行。
フリゾン=ロッシュ,ロジェ
1906‐1999。フランスのパリに生まれシャモニーに没した作家。
1923年からシャモニーに住み、24年にシャモニーで開催された第1回冬季オリンピックの事務局で働いたのを機にジャーナリストの活動を始める。
19歳で名ガイド「赤毛」の助手としてモンブランに登頂、シャモニーの正式な高山ガイドとなった。
1938年から『アルジェリア通信』の記者となりアルジェに住む。
同紙に1941年に連載した小説『結ばれたロープ』がグルノーブルのアルトー社から出版され、長年にわたるヒット作となった。
その後、小説13冊をふくむ多くの著作を残した。
戦後は、探検家としてサハラだけでなくラップランドやアラスカを旅し、フランス山岳ガイド組合の会長もつとめた。