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七歳の日記の中で、私は何人もの先生や同級生を殺しました…。
家庭は壊れていた。自殺未遂を繰り返した。愛に何度も裏切られた
。魂のひび割れを言葉で埋めるしかなかった少女が作家となり、時に極限の絶望を味わい、それでも書き続けた。デビュー以来の随筆作品をコレクションし、今一番輝く作家のすべてを明かす。生々しいまでに己の魂をさらけ出すドラマチック・エッセイ集。
目次
魚が見た夢
言葉の中の下着
死とSEX
植物のつよさ
夕暮れ時
閉ざされた遊び場
奪われた犬
食べることが物語だった、あのころ
コンパニオン
家族は静かに崩壊してゆく〔ほか〕
柳美里
1968(昭和43)年、神奈川県生れ。高校中退後、「東京キッドブラザース」を経て、’88年、劇団「青春五月党」を結成。’93(平成5)年、『魚の祭』で岸田国士戯曲賞、’96年、『フルハウス』で野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞受賞。
翌年『家族シネマ』で芥川賞受賞。