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いま、日本の動物に何が起こっているのか!?
増えすぎたシカ、クマ出没の奇妙な謎、サルVS農家……。世界的なサル学者や日本を代表する動物学者らが日本の動物の「今」に迫る。
国の森林皆伐計画によって繁殖力が強化され、森林の土壌に大きな影響を与えるまでに増えたシカ。数年に一度大量出没するクマ。食物だと認識していなかった人間の農作物を、採食し始めたニホンザル。神戸市内でゴミをあさるイノシシ…。
▼かつて人と動物の“入会地”であった日本の里山は、今や野生動物の領有地となっている。
なぜこのような問題が起こっているのか?
人と動物と森の理想的なあり方とは? 兵庫県はこれらの問題を解決するために、2006年、兵庫県森林動物研究センターを設立した。
本書は、同センターの名誉所長であり、世界的なサル学者である河合雅雄、同センターの所長で東京大学教授の林良博、そして同センターの研究員六名が、野生動物の現状に迫った一冊である。
日ごろ野生動物と接する機会が少ない都会人にこそ、日本の環境の実態を知るために読んでもらいたい。
●まえがきにかえて(河合雅雄)
●第一章 野生動物の反乱(河合雅雄)
●第二章 里山とは何か(河合雅雄)
●第三章 ワイルドライフ・マネジメント(室山泰之)
●第四章 ニホンザルの被害はなぜ起こるのか(室山泰之)
●第五章 シカと向き合う(横山真弓)
●第六章 ツキノワグマ ――絶滅の危機からの脱却(横山真弓)
●第七章 イノシシ ――人の餌付けが悲劇を生む(坂田宏志)
●第八章 外来生物 アライグマとヌートリア(坂田宏志)
●第九章 野生動物管理と獣医学(森光由樹)
●第十章 森林から野生動物との共存を考える(藤木大介)
●第十一章 獣害と地域住民の被害認識(鈴木克哉)
●第十二章 日本人の動物観(河合雅雄)
●第十三章 倫理面から見たワイルドライフ・マネジメント(林 良博)
●あとがき (林 良博)