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夕暮れの枯野を火色の毛皮を光らせて駆ける子狐はふしぎな娘に出会った。
“あわい”に生まれ、使い魔として生きる野火。“聞き耳”の力を受け継いでしまった小夜。
そして、森陰の屋敷に幽閉されている少年小春丸。
彼らは、隣り合うふたつの国の、過去の因縁と呪いの渦に巻きこまれていく。
孤独でまっすぐな二つの心の物語。
上橋菜穂子
立教大学大学院博士課程単位取得。文化人類学専攻。
オーストラリアの先住民アボリジニを研究、現在は川村学園女子大学助教授。
研究者としてフィールドワークを続ける傍ら、作家としての業績も重ねる。
著書に『精霊の木』『月の森にカミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)、
『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)
『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)
『夢の守り人』(路傍の石文学賞)
『虚空の旅人』『神の守り人』(小学館児童出版文化賞)など一連の「守り人シリーズ」(偕成社)が好評を博す。
2002年巌谷小波賞受賞