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見上げる雪空に響く賢治のことば。文豪「ドス」を貫く心揺さぶる「ラズ」の力。たらい回しにされるおばさんクレーマーの心中と、怒髪天を衝いた新幹線車内の衝撃。小説家の日常は諸事ぐるぐる渦巻いてやがてあの謎へむかう…。オロモイ!からロマンティックまで、週刊新潮人気連載を厳選したエッセイ集。『ぜんぶの後に残るもの』『人生が用意するもの』を合本化し改題したオリジナル文庫。
目次
1 ぜんぶの後に残るもの(地震のあとで;感じることなど;からだの記録;召しませ、大阪;言葉はふくらむ;けもの、動くものたち)
2 人生が用意するもの(世界のみんなが気になるところ;人生が用意するもの;ラズノグラーシエごっこ)
川上未映子
1976(昭和51)年、大阪府生れ。2007(平成19)年、小説『わたくし率イン歯ー、または世界』『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』で早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、’08年小説『乳と卵』で芥川賞、「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」、’09年詩集『先端で、さすわさされるわそらええわ』で中原中也賞を受賞。’10年映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。小説『ヘヴン』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞を受賞。’13年『水瓶』で高見順賞、『愛の夢とか』で谷崎潤一郎賞、’16年『マリーの愛の証明』でGRANTA Best of Yang Japanese Novelists、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞を受賞