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高校受験に失敗し、母校へ柔道の練習に通う作の前に、ひとりの高校生が現われた。
<練習量がすべてを決定する柔道>という四高柔道部の彼の言葉に魅了された作は、まだ入学もしていない金沢の高校へひとり出かけてゆく。
一柔道に情熱のすべてを注ぎこんだ若き日の放な生活を、過ぎ去った青春への鎮魂の思いをこめて描く。
『しろばんば』『夏草冬濤』につづく自伝的長編。
井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。