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アラスカに魅了され、動物写真家として19年間をアラスカの自然に捧げた星野道夫。その息をのむような美しい写真は多くのファンの心をとらえ、没後開催された巡回写真展では延べ45万人を動員している。活動中にも「アニマ」「週刊朝日」「SINRA」「ナショナル ジオグラフィック」など数多くの雑誌で作品を発表していた。
本書は、その未公開写真を中心に、約40点の写真を掲載したもの。神秘的なオーロラやアラスカに住む動物たち、凍りついた大地が、自然の雄大さや厳しさ、そしてそこで生きる生命の尊さを感じさせる。胸に迫る写真と文章からは、急逝した星野道夫のアラスカにかけた情熱が伝わってくる。(土井英司)
星野道夫
写真家の星野道夫さんがわれわれの前から突然姿を消して5年になる。取材先のカムチャツカ半島でクマに襲われ亡くなるという、ある意味で星野さんらしい死だった。星野さんは1952年千葉県市川市生まれ。大学卒業後、アラスカ大学野生動物管理学部に留学し、以来約19年間にわたってアラスカの自然と人びとの暮らしを写真と文章で紡ぎつづけた。本書は、星野さんの遺した膨大な写真と文章を新たに編集し、再構成した“Michio’s Northern Dreams”シリーズの1冊目となる。極北に舞う匂い立つようなオーロラの写真と、まるで詩のように美しくせつない言葉の数々が、螺旋のごとく絡まりながら昇華し、比類のない星野ワールドをかたちづくっている。星野ファンだけでなく、星野道夫の世界への入口として、ぜひおすすめしたい。本シリーズの続刊として、『ラブ・ストーリー』(12月刊)『生命(いのち)』を発刊。