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四十歳を過ぎて大病を経験した翌年の夏、「そろそろ死ぬ場所を探しはじめるのも悪くないな」と著者は思い立った。が、土地探しは困難を極め、ついに望み通りの場所を探し当てたときには、思わずこう叫んだ。「(農場は)ここだ!」。『ヴィラデスト』の所以である。余生をゆっくり田舎で過ごす―都会育ちの中年なら誰でもが持つ密かな夢を、本当に実現した著者の、農園開園顛末記。
目次
死を想う日
リンゴ園からの眺め
ノリ・メ・タンゲレ
究極の人生
春日の春
逃亡者
エスト、エスト、エスト!
水の賭け
新入り〔ほか〕
玉村豊男
1945年、東京生まれ。71年、東京大学仏文科を卒業。在学中にパリ大学言語学研究所留学。通訳、翻訳業を経て、文筆業へ。8年間の軽井沢生活の後、91年から長野県小県郡東部町(現・東御市)在住。絵画制作のほか、西洋野菜やワイン用ブドウの栽培、ワインの醸造をする農園ヴィラデストを営む。