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「現実」って何だろう? 私たちが知覚している世界と「現実」は、実はかなりズレている!? 「現実」ではノイズとしてカットされているかすかな五感のささやきに、異能の作家・坂口恭平が耳を澄ます。そこで浮かび上がってきたものとは? 驚きの(そしてどこか懐かしい)世界をありありと体験できる本。私たちは本当は、見えないものたち、触れることのできないものたちに包まれて生きているのだ。
目に映っている現実は、決して唯一無二の世界じゃない!
目で見ることも、手で触れることもできないけれど、
たしかに存在するあの〈懐かしい世界〉へ読者を誘う
ベストセラー『独立国家のつくりかた』で〈社会〉と対峙した坂口恭平が、
今度は私たちの〈無意識〉にダイブする!
【目次】
プロローグ 現実さんへの手紙
第1章 疑問の萌芽
1 現実からの招待状
2 それは学習机であり、巣の材料でもある
3 膨張する居酒屋
第2章 語り得ない知覚たち
1 目の創造活動
2 臭党
3 匂いの建築
4 手が届かない快感
5 聴いたことのない懐かしい音楽
6 線の言語
第3章 時間と空間
1 時間について
2 空間について
3 トヨちゃんのぬいぐるみ王国
第4章 躁鬱が教えてくれたこと
1 躁鬱という機械
2 空き地のような他者の知覚
3 機械からの問い
4 現実を他者化する
第5章 ノックの音が聞こえたら
1 ものがたり
2 半現実のつくりかた
3 振る舞い言語
第6章 だから人は創造し続ける
1 思考という巣
2 創造とは何か
3 なぜ思考を伝達しようと試みるのか
4 現実へ
エピローグ ダンダールと林檎
あとがき
坂口恭平
1978年、熊本生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家・作家・絵描き・歌い手、ときどき新政府内閣総理大臣。著書に『幼年時代』(幻冬舎、熊日出版文化賞)など