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あのときも、こんなふうにして、タンポポの雪が降っていた…。甘美な恋の思い出と、裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作「タンポポの雪が降ってた」をはじめ、誰もが胸にいだく、せつない想い出の数々。変わらないと思っていた幸せの脆さ。ふとした感傷が、時をへだてて突きつける人生の哀しみ。再会と、ほろ苦い別れ。日常を抜けだした先で見た夢の終わり…。時を悼み、心の詩を奏でる珠玉の七篇。
香納諒一
1963年横浜市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。91年「ハミングで二番まで」で第十三回小説推理新人賞受賞。『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』)で長編デビュー。99年『幻の女』で第五十二回日本推理作家協会賞受賞。ハードボイルド・冒険小説から端正で切ない持ち味の短編まで、独自の世界を描く実力派。