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「ノンフィクションの時代」の本格的到来をつげる若い世代のライターの一人である著者の、ルポルタージュ処女作。
“職業としての旅人”を創作のエネルギー源として新感覚のルポルタージュを開拓してきた作家の、さまざまな出会いの原風景。
目次
バンクの渡り鳥―黄金の脚を持つ競輪選手
鯉の仕掛人―泳ぐ宝石を鑑定する観賞魚問屋
群衆の中の狩人―血も涙もある通称“スリ係”の鬼刑事
密室の調律師―急成長ラブホテルの陰の演出者
メルヘンの調教師―プロ級の奇術の腕前を持つロボット動物のイヴェントマン
深海の軽業師―果てしない水面下の旅を続けるプロフェッショナル・ダイバー
大地の監視人―十分の一ミリの極小世界に目を凝らす国土地理院の測量官
票田の開拓者―主の“影”に徹して集票マシーンを動かす国会議員秘書
花園の漂泊者―花を追って南から北へと渡り歩く養蜂家
金の卵の鑑定士―明日の逸材を求めて奔走するプロ球団スカウト
聖堂の魔術師―“楽器の女王”パイプオルガンに憑かれたオルガン・ビルダー
華麗なる伝道師―生花の様式美を説く〈小原流〉指導員の普及・伝道の旅