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毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの灯りのもとで隠し事を打ち明けあう若夫婦―「停電の夜に」。
観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻―「病気の通訳」。
夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編。ピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集。
ジュンパ・ラヒリ
1967年ロンドン生れ。両親ともカルカッタ出身のベンガル人。
幼少時に渡米し、アメリカのロードアイランド州で成長する。
’99年、「病気の通訳」がO・ヘンリー賞受賞。同作収録の短編集『停電の夜に』でPEN/ヘミングウェイ賞、ニューヨーカー新人賞ほかを独占し、鮮列なデビューを飾る。
2000年4月には、新人作家としてはきわめて異例ながらピュリツァー賞を受賞し、一躍全米の注目を集めた。