Detail
好きな女の子と卓球をすることに――。
あなたならわざと負ける? それとも……。
脚本家野島と、新進作家の大宮は、厚い友情で結ばれている。
野島は大宮のいとこの友人の杉子を熱愛し、大宮に助力を願うが、大宮に心惹かれる杉子は野島の愛を拒否し、パリに去った大宮に愛の手紙を送る。野島は失恋の苦しみに耐え、仕事の上で大宮と決闘しようと誓う――青春時代における友情と恋愛との相克をきめこまかく描き、時代を超えて読みつがれる武者小路文学の代表作。
恋愛による浄化の力こそ人間の生涯を決定するという【友情】は、近代日本文学の青春の書の一つとして、著者の代表作として貴重である。その続編といえる【愛と死】では、死別の愛を描く。(山室 静)