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大規模林業と小規模林業が共存して持続可能な森林経営を行っている山国オーストリア。
そのカギは、持続可能性の原則と科学的知見に基づいたガバナンス、森林専門職による林家との密な関わり、川上から川下をつなぐ産業連携と利害者間の対話プロセスにあった。
日本の農山村が、地域の自然資源を活かして経済的に自立するための実践哲学を示す。
目次
第1章 オーストリアという国
第2章 持続可能な森林経営を支える制度設計
第3章 林業・林産業の基本構造と実態
第4章 中小規模林家と地域の林業を支える組織体制
第5章 地域における異業種連携と森林の多面的価値の創出
第6章 国土を自然災害から守るための森林
第7章 木質バイオマスエネルギーによる熱供給システムの普及
第8章 森林管理認証制度の重要性
第9章 現場実施に根ざした森林専門教育
第10章 オーストリアと日本の比較
青木健太郎
国際連合食糧農業機関自然資源専門官。
オーストリア連邦ウィーン農科大学林務官養成課程修了。
同大学高等技術者学位ならびに博士号取得。
国際応用システム分析研究所(IIASA)研究員、国際連合工業開発機関を経て、現在はアジア・ヨーロッパ地域の持続可能な森林管理、気候変動緩和適応策に関する気候ファイナンス事業の立案・実施に従事。
持続可能な森林管理と中山間地域の社会システムづくりのための社会貢献をライフワークとする。信州大学地域共同研究センター客員教授(2014-2017年)。
植木達人
信州大学学術研究院農学系教授。
北海道大学大学院博士課程修了(農学博士)後、北海道大学附属天塩地方演習力を経て信州大学へ。
森林施業及び経営に関する教育・研究を行っている。
特に森林技術史、漸伐作業論、森林管理認証、地域森林資源論をテーマにフィールドワークを展開。