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今、日本中の広葉樹林は再び太くなり、伐りはじめられている。
しかし、我々は本当の森の姿を知らない。
本来の日本の広葉樹林は、さまざまな樹種が混ざり合う多種共存の森だ。
時に針葉樹とも混ざり合う巨木の森だったのである。
広葉樹の森づくりでは、全層間伐と天然更新で地域固有の多様性をもつ巨木林をめざす。
樹木の寿命に合わせ、数百年にわたり利用しながら、年々大径化していく木々は、
数世代にわたり山里の人びとの暮らしを支えていくだろう。
森の恵みをていねいに引き出しながら、
森と山里を真の意味で豊かにする森づくりと林業のあり方を提案する。
清和研二(せいわ・けんじ)
1954年山形県櫛引村(現・鶴岡市)生まれ。
北海道大学農学部卒業。
北海道林業試験場研究員、東北大学大学院農学研究科教授を経て、現在は名誉教授。
落葉広葉樹の開花から種子散布・発芽、実生成長の仕組みなどの繁殖生態を研究。
その後、森林の多種共存メカニズムの解明に取り組む。
近年は、種多様性回復が生態系サービスを著しく向上させることを観察中。
趣味は焚き火、植物スケッチ、食物の採取と栽培、木工。
著書に『多種共存の森』『樹は語る』『樹に聴く』(以上、築地書館)、
『スギと広葉樹の混交林』(農山漁村文化協会)、
編著・共著に『発芽生物学』『森の芽生えの生態学』(以上、文一総合出版)、
『樹木生理生態学』『森林の科学』(以上、朝倉書店)、『日本樹木誌』(日本林業調査会)、
『樹と暮らす』(築地書館)などがある。