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読書好きの家庭に生まれた吉田松陰は、おおらかな母滝や教育熱心な父百合之助、弟思いの兄梅太郎、個性豊かな妹弟や叔父に囲まれ育った。明治維新の立役者となる多くの若者たちを育てた松陰の生涯は、常に捨て身で革新的な思想を主張し、脱藩や二度の投獄、処刑へと至る壮絶なものであったが、周りにはいつも家族や同志の支えがあったのだ。松陰と彼を愛した人々、彼の「志」を受け継いだ者たちを描く幕末群像。
目次
第1章 「山宅」の思い出
第2章 歪な幼少期
第3章 松陰の旅立ち
第4章 アメリカ密航未遂事件
第5章 野山獄から幽囚室へ
第6章 松下村塾を主宰する
第7章 志を貫き倒れる
第8章 松陰の復権
第9章 明治を生きた松陰の家族たち
一坂太郎
1966年兵庫県芦屋市生まれ。大正大学文学部史学科卒業。歴史研究家。現在、萩博物館特別学芸員、至誠館大学特任教授、防府天満宮歴史館顧問