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動物王国の主ムツゴロウ氏は次々に持ちこまれる難病奇病を前にして思わずウナった。持ちのイヌ、虫歯のイヌに我が身を思い、ブタのホモ現象に週刊誌の悪影響を憂え、キツネは生意気にも鼻カゼをひく。動物界の名医たらんと一念発起、遂に交通事故の大手術から精神分析の極意までをきわめたとご本人はいうが・・・・・。解説・斎木誠
畑正憲
昭和10年(1935)福岡県生まれ。33年東京大学理学部卒業。同大学院で運動生理学を専攻。35年学習研究社映画局入社、動物記録映画製作に従事する。43年退社し、本格的な著作活動に入る。同年、「われら動物みな兄弟」で第16回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。46年熊や馬を連れて北海道の無人島に移住、47年に動物王国を建国。52年にはその全生活を賭けた環境の文学で、第25回菊池寛賞を受賞。61年映画「子猫物語」を監督、21年間続いたテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」でも活躍する。