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つねに弱い者の側に立ち、世間の権威に背を向けた立場から独自の文学世界を切り開いた山本周五郎。人間の“生"を真正面から肯定し、真摯に生きることの尊さを力説して、今なお多くの読者の魂をゆさぶり続ける。
その全著作より、人間の真実を追い求めた著者ならではの、重みと暗示をたたえた心にしみる言葉455を抽出。人生に迷う老若男女に、生きる勇気と指針を与えてくれる名言集。
山本周五郎(1903-1967)
山梨県生れ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926年「須磨寺附近」が「文藝春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が1943年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。以後、「柳橋物語」「寝ぼけ署長」「栄花物語」「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「五瓣の椿」「青べか物語」「虚空遍歴」「季節のない街」「さぶ」「ながい坂」と死の直前まで途切れなく傑作を発表し続けた。