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旅をしている人にだけ見えてくる風景がある。
そこには特別な光があり、特別な風が吹いている――ボストンの小径とボールパーク、アイスランドの自然、「ノルウェイの森」を書いたギリシャの島、フィンランドの不思議なバー、ラオスの早朝の僧侶たち、ポートランドの美食やトスカナのワイン、そして熊本の町と人びと――旅の魅力を描き尽くす、村上春樹、待望の紀行文集。「熊本再訪」初収録。
目次
・チャールズ河畔の小径 ボストン1
・緑の苔と温泉のあるところ アイスランド
・おいしいものが食べたい オレゴン州ポートランド/メイン州ポートランド
・懐かしいふたつの島で ミコノス島/スペッツェス島
・もしもタイムマシーンがあったなら ニューヨークのジャズクラブ
・シベリウスとカウリスマキを訪ねて フィンランド
・大いなるメコン川の畔で ルアンプラバン(ラオス)
・野球と鯨とドーナッツ ボストン2
・白い道と赤いワイン トスカナ(イタリア)
・漱石からくまモンまで 熊本県(日本)1
・「東京するめクラブ」より、熊本再訪のご報告 熊本県(日本)2
・あとがき
村上 春樹
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。