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エンゲルスが闇に葬った『資本論』の核心とは―『資本論』の続巻を構想しつつ最後の旅に赴いたマルクス。残された膨大なメモや記録、史実の中からマルクスの旅を再現し、ドイツの社会学の泰斗が描く、大胆な仮説。
著者はマルクスの足跡を順次、マルクス自身の手紙をもとに丹念に追っていく。
パリからマルセイユまでの鉄道の旅、アルジェまでの船旅。その途上での若い女性との邂逅。
夢のなかで去来するさまざまな過去の記憶。亡くなった妻のこと。
モンテカルロでは賭博に明け暮れる富豪たちを目の当たりにし、誘われるがままにカードゲームにも参加。その体験の分析から、やがてカジノ資本主義の対処法の考察へと移って行く――。
マルクスが己の死を予感しながらもその視線の先に見据えていたものに思いを馳せてみてはいかがだろう。
(本書「訳者あとがき」より抜粋)
目次
第1章 ロンドンから地中海岸へ
第2章 アルジェ
第3章 モンテカルロ、カジノ資本主義
第4章 ロンドンに帰る、そして死