Detail
漱石の作品は、かなりヘンテコリンで面白い。
『こころ』は男同士の恋愛を軸に展開する話とも読めるし、「文鳥」では文鳥を眺めて美しい女の影を夢想しながら、実生活では奥さんの尻に敷かれがちな漱石の姿が見えてきます。
それは普通の人間の、百年経っても色褪せない日々の姿です。
わかりやすい評伝・名作の要約・音読したい名場面・人気作家のエッセイなど、
文豪の新しい魅力が発見できる画期的なシリーズ! 文豪ナビ全7冊。
目次
1.巻頭カラー こんなとき読みたい漱石
『こころ』『三四郎』『夢十夜』
2.超早わかり! 漱石作品ナビ
…何を読んだら面白い?これなら絶対はずさない
3.10分で読む「要約」夏目漱石(木原武一)
…「あらすじ」ではありません! 名作の味わいをプチ体感。
『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』
4.声に出して読みたい夏目漱石(齋藤孝)
…名文は体と心に効きます! とっておきの名場面を紹介。
5.私、漱石のファンです
…わっ、あの人もファンなの?漱石大好き作家による熱烈エッセイ!
三浦しをん「百年経ってもそばにいる」、北村薫「『こころ』を、読もうとしているあなたに」
6.評伝 夏目漱石(島内景二)
…漱石はなぜ小説家になったのか?キング・オブ・文豪は、こんな人だった!
7.漱石文学散歩(井上明久/藪野健)
…早稲田から神楽坂へ
8.年譜
夏目漱石(1867-1916)
1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。