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【発酵で、日本の奥深さがわかる! 前代未聞の怒濤の発酵文化論。】
2018年夏、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんは、日本の発酵文化をリサーチする、8か月間の旅に出ました。
本書は、小倉さんが47都道府県の山・海・島・街を巡って、酒・味噌・醤油はもちろん、知られざる発酵の現場を取材した記録です。
発酵食品は、その土地の味覚や暮らしの記憶が保存されたアーカイブ。
多種多様な日本の発酵食と、それらが生まれた背景を、疾走感ある文章で紹介しています。
●目次
【1章】味覚の記憶/東海の旅
愛知・岡崎の八丁味噌
三重・鈴鹿の豆味噌
コラム...発酵技術のバリエーションと活用法
【2章】現代空間のエアポケット/近畿の旅
和歌山・湯浅の金山寺味噌
京都・大原のしば漬け
大阪・守口の守口漬け、摂津富田の富田漬け
コラム…海・山・街・島の発酵文化
【3章】魚と酢の通り道/瀬戸内の旅
広島・尾道の米酢
岡山・日生のママカリずし
鳥取・智頭の柿の葉ずし
愛媛・五色浜のいずみや
コラム…すしの進化史
【4章】微生物の誘う声 離島へ
伊豆諸島・青ヶ島の青酎
コラム…日本人は何を食べてきたのか
【5章】旅の身体感覚 北へ
栃木・今市の日光みそのたまり漬け
福島・会津若松の三五八漬け
富山・射水の黒作り
新潟・妙高のかんずり
秋田・八森のしょっつる、 ハタハタのいずし
北海道・標津の山漬け
コラム…北前船から見る近世の海運事情
【6章】ご当地スタンダードの発酵おやつ/関東の旅
群馬・高崎の酒まんじゅう、 前橋の焼きまんじゅう
神奈川・川崎大師のくずもち
コラム…発酵が景観をつくる
【7章】発酵から見た経済史/日本の近代化を見直す旅
兵庫・淡路島の清酒
香川・小豆島の木桶、醤油
徳島・吉野川流域の阿波藍
コラム…発酵と信仰
【8章】辺境を生きる知恵/九州の旅
宮崎・日南のむかでのり
熊本・阿蘇のあかど漬け
長崎・対馬のせん団子
佐賀・呼子の松浦漬け
【9章】記憶の箱舟
【おわりにかえて】
本書で取り上げられなかった発酵食品
小倉ヒラク
1983年、東京都生まれ。早稲田大学文学部で文化人類学を学ぶ。
在学中に絵の勉強のためフランスへ留学。卒業後企業へ入社。
東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨県甲州市の山の上に発酵ラボをつくり、日々菌を育てながら微生物の世界を探求している。
発酵デザイナー。
全国の醸造家たちと商品開発や絵本・アニメの制作、ワークショップを開催。絵本&アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014受賞。
15年より絵本『おうちでかんたん こうじづくり』とともに「こうじづくり講座」をスタート。
20年、下北沢に「発酵デパートメント」をオープン