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酒、チーズ、納豆等の嗜好食品から医薬品、洗剤の製造、さらには抗生物質、アミノ酸、ビタミン、微生物タンパク質の製造まで、発酵の作用は広く利用されている。自然界における環境浄化もまた微生物の活動に依存する領域で、発酵は地上の動植物の生存に不可欠の作用である。フグの毒抜き、中国の“奇跡の発酵”等、世界各地の発酵文化に今日のバイオテクノロジーの原点を探り、目に見えない微生物の神秘的世界を宇宙的スケールで捉える。
目次
第1章 地球と微生物
第2章 微生物と発酵の発見
第3章 発酵技術の進歩
第4章 日本人と発酵
第5章 発酵を司る主役たち
第6章 今日の発酵工業
第7章 奇跡の発酵
小泉武夫
1943年福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学教授、農学博士。専攻は醸造学、発酵学、食文化論。「食の冒険家」として、地球津津浦浦を足で歩き、舌で考え、鼻で嗅いできて、膨大な食歴を持つ