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ヒマラヤの8000メートル峰登頂など高峰に憧れ、志半ばにして山に逝った登山家8人の最期を描く。加藤保男は冬のエベレストに、植村直己は冬のマッキンリーに、長谷川恒男は未踏のウルタルに、そして小西政継は58歳でマナスルに…。当時の日本を代表する登山家8人の、山に向かう心情や行動に共感し、綴られたレクイエム。著者の佐瀬稔も病に倒れ、最後の著作となった。
目次
第1章 グランド・ジョラス北壁の生と死/森田勝
第2章 エベレストの雪煙に消えた山の貴公子/加藤保男
第3章 時代を超えた冒険家/植村直己
第4章 雪崩に埋没した雪男への夢/鈴木紀夫
第5章 運命のウルタル2峰/長谷川恒男
第6章 風雪に砕かれたビジネス・キャリアの夢/難波康子
第7章 死の山・いのちの山「ウルタル」/山崎彰人とクライマーたち
第8章 限りない優しさの代償/小西政継
終章 「人間の尊厳」と夫・佐瀬稔の最期(佐瀬禮)
佐瀬稔
1932年、神奈川県生まれ。1955年、東京外国語大学英米学科を中退。報知新聞社に入社。運動部長、文化部長などを経て、73年に退社。フリーランスとなり、主に事件、人物、スポーツなどの分野のルポルタージュ、ノンフィクションの執筆活動に入る。『金属バット殺人事件』(草思社/日本推理作家協会賞受賞)、『ヒマラヤを駆け抜けた男 山田昇の青春譜』(東京新聞出版局/ミズノ・スポーツライター賞受賞)にど著書多数。1998年5月逝去