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十六歳で、少年の倦怠を描いた作品「花ざかりの森」を発表して以来、様様な技巧と完璧なスタイルを駆使して、確固たる短編小説の世界を現出させてきた作品群から、著者自らが厳選し解説を付した作品集。
著者の生涯にわたる文学的テーマや切実な問題の萌芽を秘めた『中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜率』『詩を書く少年」『海と夕焼」『憂国』等13編を収める。
三島由紀夫
1925‐1970。東京生れ。本名、平岡公威。
1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。
’49年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、’54年『潮騒』(新潮社文学賞)、’56年『金閣寺』(読売文学賞)、’65年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。
’70年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決