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私(堀田綾子)は一九二二年(大正十一年)、旭川で生まれた。この時の家族は両親、兄三人、姉一人。のちに弟三人、妹一人が生まれる。生来虚弱な体質のためか、人一倍臆病で、私の幼年期は不気味さと淋しさ、不安、恐怖の入りまじった中にあった。
そして小学校。姉の厳しさと優しさ、親しい人の死、同居していた叔母の結婚、初潮と様々なことを経験しながら、人間とは何か、生きていくとはどういうことかをおぼろげに感じ始めるが。
読者待望の長編自伝小説。
三浦 綾子
1922(大正11)年、北海道旭川市生まれ。
17歳からの7年間、小学校教師として軍国教育に献身したため、戦後に罪悪感と絶望を抱いて退職。
その後、結核で13年間の療養生活を送る。闘病中にキリスト教に出会い、洗礼を受ける。
1959年、生涯の伴侶・三浦光世と結婚。
1964年、朝日新聞の懸賞小説に『氷点』で入選し、作家活動に入る。
一貫してキリスト教の視点で「愛とは何か」を問い続け、『塩狩峠』『銃口』『道ありき』など数多くの小説、エッセイを発表した。1999年逝去。2012年に生誕90周年。
三浦綾子記念文学館
http://www.hyouten.com/
〒070-8007
北海道旭川市神楽7条8丁目2-15