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末期癌を患った夫と育っていく子どもたち、そしてときおり届く絶縁したはずの実家からの手紙……移りゆく時間の輝きと研ぎ澄まされる内省の果てに訪れた、破局と救済の記録。
末期癌を患った24歳年上の夫は、手術によって一命をとりとめたが、半年後に転移が見つかった。繰り返される入退院のなかで育っていく子どもたちと、ときおり届く絶縁した実家からの手紙。そしてある日、わたしは夫との間に、決定的な〈すれ違い〉があることに気がついたのだ……。
目次
わたしの他者たち
冬 2016年11月〜2017年1月
春 2月〜4月
夏 5月〜7月
降伏の記録
植本一子
1984年、広島県生まれ。2003年、キャノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞し写真家としてのキャリアをスタートさせる。広告、雑誌、CDジャケット、PV等幅広く活動中。著書に『働けECD――わたしの育児混沌記』、『かなわない』、『家族最後の日』、『ホームシック――生活(2〜3人分)』(ECDとの共著)がある。