Detail
長くレントゲン技師を務めるかたわら、自らの美意識に導かれるままに描かれた野の草花の水彩スケッチ、木から削り出した匙やかんざし、手びねりの土人形など、人柄がにじむ素朴な作品で「セツローさん」の愛称で親しまれた小野節郎さんは、すぐれた書き手でもあった。
本書には生前に残した私家版の随筆集2冊から19篇を収録、滋味深く時にユーモラスな語り口で描かれる昔日の光景、家族のこと、日々のできごと。スケッチや造形作品も合わせて収録しました。巻末には子息である陶芸家の小野哲平氏がエッセイを寄稿。
小野節郎
1929年岡山県生まれ。愛媛県松山市で長くレントゲン技師を務めるかたわら、油彩を描く。
のちに自らの美意識に導かれるままに野の草花を描き、木から匙やかんざしを削り出し、手びねりで愛らしい土人形を作った。
晩年は「セツローさん」の愛称で親しまれ、幅広い世代のファンに恵まれる。
陶芸家である長男・小野哲平氏、布作家の早川ユミ氏(哲平氏の妻)と全国各地で二人展、三人展を開催した。2017年没。
著書に『セツローさんのスケッチブック』(ラトルズ)、『セツローのものつくり』(アノニマ・スタジオ)がある。