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木は人間の愛をまっている
木の治療に魂をうちこむ樹医が綴る生涯現役のヒューマンドキュメント
緑と地球を愛する人のための本
目次
1 あの木が呼んでいる
2 波欄の人生で木と出会う
3 病んだ樹木を助けたい
4 挑戦――治療法を求めて
5 樹木治療班のスタッフたち
6 甦った古木・名木
7 樹霊の神秘
8 木は人間の愛をまっている
山根忠彦
明治33年(1900)年6月25日、大阪に生まれる。3歳のときソウルに渡る。ソウル善隣商業高校を卒業後、東京の中央大学へ入学したが中退。養父の莫大な遺産で放蕩三昧し5年で破産。無一文から手掛けた山林経営が成功、かたわら京畿道林業試験場長から樹木に関する技術の手ほどきを受ける。戦後、引き揚げて病んだ神社、仏閣の古木、老木に心を痛め、「樹医」になることを決意。公園の人夫、夜警など、さまざまな職業を経て、これまで未開発だった樹木の治療技術を苦心のすえ研究開発し、全国の1千本以上の名木、古木を治療して歩いている。樹医としてこの道30年。日本樹木保護協会代表。また、アメリカの樹の保護団体・国際樹木保護協会の日本初の会員。昭和61年、朝日森林文化賞受賞。63年、第22回吉川英治文化賞、関西大賞さわやか賞受賞。