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日本列島には一〇八の活火山があり、思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる。噴火を科学の力(噴火予知)でやり過ごし、災害を減らす知恵が「減災」である。一方、噴火の後には、長い期間にわたって火山の恵みを享受することができる。火山の恩恵と魅力を伝えつつ、自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る。
目次
第1章 火山噴火とはどんな現象か(溶岩流―地表に出たマグマ;軽石―泡立つマグマの破片 ほか)
第2章 噴火のタイプとその特徴(噴煙柱が立ちのぼるプリニー式噴火;爆発的なブルカノ式噴火 ほか)
第3章 噴火は予知できるか(地震を調べる;地殻変動を測る―火山体の膨張と収縮 ほか)
第4章 噴火が始まったらどうするか(活火山のランク分け;活動中の火山のレベル化 ほか)
第5章 火山とともに生きる(溶岩の流れを変える;災害は短く、恵みは長い ほか)
鎌田浩毅
1955年東京都生まれ。1979年東京大学理学部卒業。通産省地質調査所主任研究官、米国カスケード火山観測所客員研究員を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻、火山学、地球変動学、科学教育、アウトリーチ。