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独りだから、できたことがある。独りだから、諦めたことがある。あの震災で独身は何を考え、どう動いたのか。「家族の絆」が強調される一方でほとんど報道されなかった独身者の声を聞くため、作家は旅に出た。激務の末に転職、特技を生かして被災地に移住、震災婚に邁進、答えを求めて仏門へ――非日常下で様々な選択を迫られた彼らの経験から鮮やかに描き出す、独身と日本の「いま」。
酒井順子
1966(昭和41)年東京生まれ。高校時代より雑誌「オリーブ」に寄稿し、大学卒業後、広告会社勤務を経てエッセイ執筆に専念。2003(平成15)年に刊行した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、講談社エッセイ賞、婦人公論文芸賞を受賞。古典作品にまつわる著書も数多く、『枕草子』の現代語訳も手がけている。他の著書に『枕草子REMIX』『女流阿房列車』『紫式部の欲望』『ユーミンの罪』『地震と独身』『子の無い人生』『百年の女』『家族終了』『日本エッセイ小史』などがある。