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勝利を、信じろ――。
足袋作り百年の老舗が、ランニングシューズに挑む。
埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。
社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。
チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?
池井戸 潤
岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。
「果つる底なき」(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、「鉄の骨」(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、「下町ロケット」(小学館文庫)で直木賞を受賞。
他の作品に、『半沢直樹』シリーズ①「オレたちバブル入行組」、②「オレたち花のバブル組」、③「ロスジェネの逆襲」(すべて文春文庫)、④「銀翼のイカロス」(ダイヤモンド社)、『花咲舞が黙ってない』原作本「不祥事」、「空飛ぶタイヤ」(それぞれ講談社文庫/実業之日本社文庫)、「ルーズヴェルト・ゲーム」(講談社文庫)、「民王」(文春文庫)、「下町ロケット2 ガウディ計画」(小学館)、「七つの会議」(集英社文庫)、「なるへそ」(Kindle Singles)などがある。