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十八世紀以降の文学と哲学はルソーの影響を無視しては考えられない。
しかし彼の晩年はまったく孤独であった。人生の長い路のはずれに来て、この孤独な散歩者は立ちどまる。
彼はうしろを振返り、また日前にせまる暗闇のほうに眼をやる。
そして左右にひらけている美しい夕暮れの景色に眺めいる。
一自由な想念の世界で、自らの生涯を省みながら、断片的につづった十の哲学的な夢想。
ルソー
1712-1778。思想家、作家。時計職人の子としてジュネーブに生れるが、誕生後、すぐ母と死別、十五歳で家出し放浪生活を送った。
これらの体験は、彼の思想形成に大きな影響を及ぼした。
1742年パリで文筆生活に入り、啓蒙思想家と親しくなった。’55年『人間不平等起源論』で独自の社会観をうち立て、その後、『社会契約論』『エミール』を出版。“自然に帰れ”をモットーに主権在民を唱えた。