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亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見たタペンスは奇妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河のそばの一軒屋に見覚えがあったのだ。悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した…初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵トミーとタペンス、縦横無尽の大活躍。
アガサ・クリスティー
1890年、保養地として有名なイギリスのデヴォン州トーキーに生まれる。中産階級の家庭に育つが、のちに一家の経済状況は悪化してしまい、やがてお金のかからない読書に熱中するようになる。特にコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを読んでミステリに夢中になる。1914年に24歳でイギリス航空隊のアーチボルド・クリスティーと結婚し、1920年には長篇『スタイルズ荘の怪事件』で作家デビュー。1926年には謎の失踪を遂げる。様々な臆測が飛び交うが、10日後に発見された。1928年にアーチボルドと離婚し、1930年に考古学者のマックス・マローワンに出会い、嵐のようなロマンスののち結婚した。1976年に亡くなるまで、長篇、短篇、戯曲など、その作品群は100以上にのぼる。現在も全世界の読者に愛読されており、その功績をたたえて大英帝国勲章が授与されている。