Detail
「現実というのは思いのほかに多層性をもっている。自分が見ている『この世界』がすなわち唯一の現実だと思いこむのは浅はかすぎる」と言う心理療法家・河合隼雄が選びぬいた13の物語には、「人間のたましい」「隠された自己」が衝撃的に描きだされる。そして、そこには、人が人生のさまざまな場面で遭遇する「こころの問題」を解くカギが秘められている。
目次
序章 なぜファンタジーか
第1章 人が病むとき―ストー『マリアンヌの夢』
第2章 「もの」と「こころ」の間―ゴッデン『人形の家』
第3章 死と向きあう―リンドグレーン『はるかな国の兄弟』
第4章 「自己への道」を歩む―ギャリコ『七つの人形の恋物語』
第5章 アイデンティティを深める―カニグズバーグ『エリコの丘から』
第6章 夢見ること―ピアス『トムは真夜中の庭で』
第7章 たましいの存在―ノートン『床下の小人たち』
第8章 家族のあり方―マーヒー『足音がやってくる』
第9章 「もう一つの国」がある―マクドナルド『北風のうしろの国』
第10章 真実の旅―ボスコ『犬のバルボッシュ』
第11章 自分自身の本当の姿を知る―ル=グウィン『影との戦い ゲド戦記1』
第12章 生まれ変わるために―ル=グウィン『こわれた腕環 ゲド戦記2』
第13章 生と死の間で―ル=グウィン『さいはての島へ ゲド戦記3』