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友だちって本当に必要ですか?
"友だちはいいものだ"と人は言う。
若者は友だちがいないからといって悩み、果ては心を病む者もいる。しかし、友だちは本当にいいものだろうか。単に社会が作り出した虚構を私たちが信じこんでいるだけだとしたら―――。
"友だちはいいもの"という世間の価値観に振り回されて、自分の自由をつぶしていないか。数だけは多いSNSでの「つながり」で友情は育めるのか。本当に大切な人間関係とは何かを改めて問う一冊。
鬼才・押井守監督が自身の体験と思索の日々から語る刺激的で画期的な友だち論。
<目次>
第一章 友だちは幻想である
『走れメロス』は『少年ジャンプ』! ?/曖昧な言葉に振り回されるな!/人間は三つの顔をもっている etc.
第二章 子ども時代はいじめられっこ
十で神童、二十歳過ぎればただの人/私立探偵の親父と映画/鈴木敏夫と三十七年の腐れ縁etc.
第三章 人間は孤独であるという当たり前の事実
孤独はよくない/自分自身と向き合おう/孤独こそ人間の原初的な姿であるetc.
第四章 "小さきもの"は人間が生きる上で不可欠な存在
人間を補完してくれる"小さきもの"たち/オヤジはつらいよ/人は頼られたい、必要とされたいetc.
第五章 友だちは死んだ人でもいい―読書のススメ―
死んだ人と付き合おう/指南書の98パーセントはクズである/かつて映画は人生の予行練習だった etc.
第六章 仕事をしよう―僕の職歴−
人間は生まれつき公平じゃない/人間は職業を通じてしか自己実現できない/成功に物怖じは禁物etc
第七章 一番必要なのは友だちなんかじゃなくて……
師匠を追いかけて/何でも言っていいのが映画監督の特権ですetc.
押井守
映画監督。1951年生まれ。東京都出身。東京学芸大学教育学部卒。大学在学中より自主映画を制作。'77年、タツノコプロに入社。スタジオぴえろを経てフリーに。
おもな監督作品に『うる星やつら オンリー・ユー』('83年)、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』('84年)、『天使のたまご』('85年)、『機動警察パトレイバー the Movie』('89年)、『機動警察パトレイバー2 the Movie』('93年)。
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』('95年)はアメリカ「ビルボード」誌セル・ビデオ部門で売り上げ1位を記録、『イノセンス』('04年)はカンヌ国際映画コンペティション部門にノミネート、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』('08年)はベネチア国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた。
近作に『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズ全7章('14〜'15年)、最新作は『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』。