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生の不安を繊細な神経のふるえをもって歌った二十世紀前半ドイツ最大の詩人リルケの詩から、特にリルケ的特徴の著しいものを選んだ。
その独自の風格を現わしはじめた最初の詩集『時祷集』から、『形象集』『新詩集』を経て、実存の危機と深淵を踏みこえて変身してゆく人間の理想像を歌って現代抒情詩の金字塔といわれる『オルフォイスへのソネット』ならびに死の直前の詩までを収める。
『時祷集』(一八九九‐一九〇三)から
『形象集』(一九〇二‐一九〇六)から
『新詩集』(一九〇七‐八年)から
一九〇六‐一九〇九年の詩
一九一三‐一九二〇年の詩
『オルフォイスへのソネット』(一九二三)から
一九二二‐一九二六年の詩
リルケ
1875‐1926。プラハ生れ。
オーストリアの軍人だった父によって入学させられた陸軍士官学校の空気に耐えきれず約一年で退学。リンツの商業学校に学びながら詩作を始める。
二度のロシア旅行の体験を通じて文筆生活を決意し、詩の他、小説・戯曲を多数発表。
後にパリに移り住み、一時ロダンの秘書も務めて大きな影響を受けた。
また生涯を通じて数多くの書簡を残している