Detail
「森を育てたら、魚が帰ってきた!」
いま注目される、森林が海の生物に果たす役割
森はいかにして海を豊かにするのか
昔から、魚介類を増やすには水辺の森林を守ることが大切とされ、こうした森は「魚つき林」と呼ばれた。
森の栄養が海の生き物を育てているのだ。
現在、漁師たちが山の木を育てる「漁民の森」運動が全国で進められている。
その科学的根拠ともなった「陸と海を結ぶ生態系」を解き明かす。
森と海はつながっている――新たな視点で生態系を解明した衝撃の名著から16年。
日本各地、さらには東南アジアまで飛び回り、海の再生に取り組み続ける著者が、最新の事例と研究成果を大幅加筆し内容を一新!
目次
はじめに
第1章 魚を育てる森
第2章 森が貧しいと海も貧しい
第3章 海の砂漠化
第4章 海と人間のかかわり
第5章 地球環境再生のカギを握る森林と海
おわりに
関連・参考図書
松永勝彦
1942年三重県生まれ。立命館大学理工学部化学科卒業、大阪大学大学院工学研究科修了。理学博士。
1986年から北海道大学教授。
森林が河川、湖、沿岸海域の生物生産にはたす役割についてこれまで研究を続けてきた。
研究は、未知の世界の扉を開くというはかりしれない喜びと同時に、人類の幸せに何らかの貢献ができればとの思いで、人間と自然との共存をめざした取り組みを行っている。
1992年に創設され、環境の研究にたずさわる研究者に贈られる第一回環境水俣賞を受賞。
2003年9月北大を辞職、現在四日市大学環境情報学部教授。北海道大学名誉教授。