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かつて中学の校長だった東昇平はある日、同窓会に辿り着けず、自宅に戻ってくる。
認知症だと診断された彼は、迷い込んだ遊園地で出会った幼い姉妹の相手をしたり、入れ歯を次々と失くしたり。
妻と3人の娘を予測不能なアクシデントに巻き込みながら、病気は少しずつ進行していく。
あたたかくて切ない、家族の物語。
中央公論文芸賞、日本医療小説大賞、W受賞作。
中島京子
1964年生まれ。作家。
2003年田山花袋『蒲団』を下敷きにした書き下ろし小説『FUTON』でデビュー、野間文芸新人賞候補となる。
2010年『小さいおうち』で直木賞を受賞し、2014年に山田洋次監督により、映画化。同年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞を受賞。
2015年刊行の『長いお別れ』で中央公論文芸賞と日本医療小説大賞を受賞。著書多数。