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勝負の世界に青春を賭け、燃え尽きていった者たちのロマンを描く、
スポーツノンフィクションの名作が、待望の新装版に!
登場するのは、クレイになれなかった男・カシアス内藤、栄光の背番号3によって消えた三塁手、自殺したマラソンの星・円谷幸吉、など。
沢木耕太郎が、徒弟修業中の自分にひとつの可能な道筋が見えてきた、と語る、自身の出発点ともいえる記念碑的作品。
解説・北野新太(報知新聞記者・著書に将棋棋士を題材にした『透明の棋士』(ミシマ社、2015年)がある)
内容説明
燃え尽きたいと望み続けついに叶わなかったボクサー、栄光の背番号3によって消えた三塁手、夭折した長距離ランナーの「思い」、良血馬達との決戦に臨むサラブレッド―“勝負の世界に何かを賭け、喪っていった者たち”をテーマに書き継がれた6篇。著者の原点ともいうべきスポーツ・ノンフィクションの金字塔!
目次
クレイになれなかった男
三人の三塁手
長距離ランナーの遺書
イシノヒカル、おまえは走った!
さらば宝石
ドランカー“酔いどれ”
沢木耕太郎
1947年、東京都生まれ。70年、横浜国立大学経済学部卒業。
若きテロリストと老政治家の、その一瞬までのシーンを積み重ねることで、浅沼稲次郎刺殺事件を描ききった『テロルの決算』で79年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
『一瞬の夏』(81年、新田次郎文学賞)、『凍』(2005年、講談社ノンフィクション賞)、『キャパの十字架』(13年、司馬遼太郎賞)など常に方法論を模索しつつノンフィクションに新しい地平を開いてきた。2003年、菊池寛賞を受賞。