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経済不況も大問題だが、それよりも深刻なのが世界の食料不足だ。
総人口の増加、異常気象の続発、中国など新興国における食生活のレベルアップ、バイオエタノールの生産増による食用トウモロコシの減少…。
いま各国で食料の奪い合いが始まりつつある。
この危機に対して食料を海外に大きく依存する日本は何をすべきか?そして僕たち一人ひとりに問われていることは?
世界と日本の「食」や「農」の現実、あるべき将来像について、わかりやすく解説する。
目次
序章 いまこそ「食」を見つめ直す
第1章 食料輸入大国・日本―戦後六〇年の「食」の歩み
(日本の戦後は「飢え」から出発した;農村から都市へ「民族大移動」;経済成長とともに変化していく食卓;食生活はどんどん便利になったけれど…;お金を積んでも食料を輸入できなくなる!?)
第2章 世界で食料の争奪戦が始まった
(異常気象による食料パニック;大不況でも再び上昇する穀物価格;世界の食料が足りない!;中国の「爆食」が与える影響;農地を巡る各国間の争い;バイオエタノールの罪;トウモロコシが輸入できなくなる日;一九七三年の食糧危機;食料の大増産はもはや不可能;遺伝子組み換え作物の問題点)
第3章 日本の「食」を再生させるために
(死に瀕する日本の農業;コメ作りが衰退した原因;いますぐコメを大増産せよ!;日本のコメを世界へ輸出;僕たち一人ひとりが問われていること;ローカリズム(地域主義)の重要性
新しい社会のかたち)
柴田明夫
1951年、栃木県生まれ。東京大学農学部卒業後、丸紅に入社。
2006年より丸紅経済研究所所長。
産業政策、国際商品市況分析のエキスパートとして知られる